嘘つき運命ごっこ



「で?どこが悪い?薬が必要なら買ってくるから」

「い、いえ、あの……っ」


家に着くなり、私をソファーに座らせた学さんは、目の前で跪(ひざまず)いて、額に手を伸ばしてきた。


「熱は……ないみたいだけど」


そうなんです、ないんです。

だって、どこも悪くはないから。

そう言いたいけれど、ドアップになった綺麗な顔と、額に当てられた大きな手のひらに緊張して、声が出せない。