嘘つき運命ごっこ

まさかの勘違いに否定をしたいけれど、グイグイと手を引かれて歩かされて、そんな暇がない。


「あ、あの、瑞貴!」

「芙結、お大事にね~」


何も不調がないと分かっているはずの瑞貴は、こちらに向けて大きく手を振っている。

相変わらず、ニコニコしてる。

昨日は、学さんの顔を見たくないと言っていたのに。

……そんなものなのかな。


私も瑞貴に小さく手を振る。


それを横目に見ていた学さんは、少しだけ歩く速度を緩めた。


「あれって、昨日の夜にうちに来た奴?」

「あ、はい、見えてたんですか?幼なじみで。家も、結構近いの」

「ふーん」


学さんは、家までの帰路、それっきり黙ったままで。


私はずっと、繋いだままの手が気になっていた。