嘘つき運命ごっこ

「あいつがいない今のうちに、分かんないとこ教えてあげる。若菜、さっき首かしげてたでしょ。どこ?」

「あ、見てたんですか。実は、この数式が……」

「これはね、この公式を使うの。Xがこうで、……ほらね、簡単だよ」

「わ、すごい!ありがとうございます」


杉尾先輩がいなくなって緊張がとけたのか、若菜は美奈実先輩にノートに書きながら教えてもらい、楽しそう。


こんな光景は、中学の時にもよく見ていた。

何も事情を知らなければ、仲睦まじい先輩後輩に見える。


私は若菜の友達だから、若菜を応援するって言ったけど……。

そしたらきっと、ふたりの今の関係は壊れてしまう。


赤い糸同士は、きっと結ばれる。


でも、……本当にそれでいいのかな。