嘘つき運命ごっこ

「ごめん、俺ちょっとトイレ」


杉尾先輩が席を立って、図書室を出ていく。

そして、若菜と美奈実先輩がふたりきりに。


無意識だろうか。若菜がため息をついた。

それに気づいた美奈実先輩が、苦い笑みを若菜に向けた。


「ごめんね、女同士の方が良かったよね?」

「えっ!?あ、そんなつもりじゃ……!ごめんなさい!」

「いいの、いいの。気をつかわなくて。あいつ、若菜のことお気に入りみたいで、可愛がっちゃってるからさ。私が若菜に会いに行こうとすると、絶対ついてきちゃうんだよね。ウザいでしょ?」

「いえ、そんなことは……」


聞き耳を立てているようで、申し訳ない気持ちになる。

でも、聞いてしまう。


こんな話をされて、若菜は複雑だろうな。