嘘つき運命ごっこ

「芙結、聞いてる?」

「え?」


隣で瑞貴が、自分のノートを開いて指さしている。

しまった。聞いてなかった。


「ごめん……」


スマホ見てました……。


「芙結、大丈夫?疲れたなら帰る?」

「ううん、そんなことないよ。ごめんね」


私は、瑞貴に、顔の前で手を振って見せる。


いけない。
考えることが多すぎて、頭が回らない。


「あ、芙結ちゃん、それ、おばあちゃんとおじいちゃん?」


リサが、私のスマホ画面をのぞき込む。

そこに映し出されたのは、以前ふたりに会いに行った時に、一緒に撮った写真。

その時にカメラを持っていたのは、パパ。

祖父母にはさまれた私は、笑顔。

もちろん、写真の中でも、ふたりの赤い糸は繋がっている。

昨日からずっと、無意識にこの写真ばかり見返してしまう。

この時は、おじいちゃん元気だったのにな……。


「ごめんね。ふたりとも、早く帰りたいよね。勉強頑張る」

「芙結ちゃん、大丈夫だよ、急がなくても。ずっと気にしてるのって、えーと、若菜ちゃん?のこと?」


リサが小声で、チラッと振り返る。

私からは正面に若菜たちが見えるけれど、リサからは背中側に三人がいる。