嘘つき運命ごっこ

「……ねぇ、若菜は、私に何か用事があったの?」

「え?」

「さっき、捜したって言ったから」

「あ……、うん」


校門を通る生徒たちが、次々と校舎へ向かう。

私たちのように、立ち止まる人はいない。


若菜はうつむき、口を開く。

だけど、開いては閉じてを繰り返して、中々話し始めようとはしない。

そして。


「……芙結は、応援してくれるって……言ったよね?」


落とした言葉はまるで、ひとり言のようだった。


「うん、言ったよ。若菜と杉尾先輩は、絶対に結ばれる。ふたりは、運命だから」


顔を上げた若菜は、泣きそうに笑った。


「ありがとう」