嘘つき運命ごっこ

そう言って、スッといなくなる瑞貴の背中を見送る。


「また、気を使わせちゃったな……」


若菜が、申し訳なさそうに呟く。


「いいよ、いいよ。いつも一緒にいるんだから、少しくらい」


苦笑いで顔の前で手を振ると、若菜は小さく首を振った。


「でも、芙結がそう思ってても、瑞貴くんは違うでしょ?」


若菜の言葉に、手を止める。


「悪いことしちゃったな……」


その声を聞きながら、校舎に目をやる。

瑞貴の姿は、どこにも見当たらなかった。