「えっ!」


驚き、急いで部屋を出て、階段を駆け下りる。


「おい、芙結どうした」


リビングからパパの声が聞こえる。
私はそれを無視して、玄関から飛び出した。


「瑞貴!どうしたの?びっくりした……」

「こんなに芙結に会わないのって初めてだから、顔見たくて」

「もう……、明日になったら学校だって行くのに……。ずっと待ってたの?」


瑞貴の赤くなった頬に触れる。
夜風で冷えている。


「ずっとじゃないよ。ちょうど今着いた」

「私がまだ帰ってなかったら、どうするつもりだったの?」

「それは、待つしかないよね」

「バカ。寒いでしょ、とりあえず家の中に」