「美紀!待ってくれ!俺が悪かった!」

そう言いながら元彼がおいかけてくる。

「やめてよ!こんな公共の場所で、、!」

とうとう元彼が追いつき腕を掴んできた。

思わずその腕を振り払おうと肘を動かすと、彼のみぞおちにhitしてしまった。

「てめえ!女のくせに!!」

彼が私に拳を振り上げる、、、!

私は痛みを覚悟してギュッと目をつぶった。

その時、

「やめなよ」

見知らぬ男が元彼の拳を受け止めた。

「は?なんだてめぇ!!」

「私、こういうものです」

見知らぬ男は、弁護士バッジを見せつけてきた。

「今までの会話は全て聞いていました」

「は?いやなに勝手に盗み聞きしてんだよ!」

「この女性は嫌がっているように見えましたが?」

彼は私を心配そうに見つめた。

「このまま訴えることも出来ますが、、、どうしますか?」

「チッ!もういいわ。美紀、お前覚えとけよ」

元彼は地面に唾を吐くと、捨て台詞を残して走り去って行った。

「あの、ありがとうございます」

私は弁護士さんの方を向いて深くお辞儀をした。

「いえ、いいんです。GETしたての弁護士バッジを誰かに自慢したかっただけなので」

彼の顔は、とても嘘や冗談を言っているようには見えなかった。

「それでも本当に助かりました」

私は腕のアザを見られないように手で隠した。

「その怪我、病院に行った方がいいですよ。残るかもしれないので」

バッジ自慢弁護士男は、私の仕草に目ざとく気づき、そう言った。

「、、あー。そうですね。行ってみます」

歯切れ悪くそう言った。

そこで気づいたが、彼は眼鏡をしていたがよく見るとイケメンで、私の好みだった。

「あの、いつかお礼がしたいので連絡先教えてください」

「名乗るほどではありません」

そう言ってバッジ自慢弁護士男は颯爽と去っていった。

「あっ、、!!」

追いかけることも出来ずに、私はその場に立ち尽くした。

「また、会えるかな、、、」