「……っ、う」



頭いたい……。

というか、まだぜんぜんスタジオから距離が離れていない。


わたし的には結構歩いたつもりだったんだけどなあ…。



「……っわ、」



思わずふらついて倒れそうになったところで、誰かの腕でぐっと支えられた。



「っえ、るいくん……?」


「ほんっとお前危なっかしい」


「え、なにが……っわ、」


「やっぱり熱あるだろ。何度だよこれ」


「わ、かんない」



おでこに手を添えられて、自分でもなにがなんだか分からない状況。


体温、あがりそう……っ。




「るいくん、なんでここにーーー……」


「……ののか?っおい、」



なんだか頭がふわふわして、琉唯くんに支えられてるのが安心したのか、わたしはそのまま意識を手放した。




「ーー…」



なんだか安心する場所にいる気がする。

ふわふわ、揺れるここがとっても心地いい。



「……ん、」


「っ、ごめん起こした?」


「……すー…すー…」


「……なんだ、寝てんの、」



耳に自然に流れ込んでくるテノールが何か響いてる。


……でも、もう少し。もう少しだけ、




「ーー心配したから追いかけてきたんだよ、」




ーーこのままでいさせて。