「まさかあのハルトがこんなふうになるなんて……! 恋愛にも女性にも興味のなかったあのハルトが……!」


 ハルト様の顔がみるみる赤くなっていきます。けれど、彼はわたくしをさらに抱き寄せ、お二人から隠すようにしてにらみました。


「いや、デートのプランについて俺たちに助言を求めてきた時点で、ある程度は予想できていたよ。だけど、まさかここまでとは……いや、いいものを見せてもらった」


 ヴァイラー様が目尻にたまった涙を拭きつつ、ハルト様の肩をポンと叩きます。


「兄さん! デートの話はクラルテの前でしないでくれ! 恥ずかしいじゃないか!」


 焦ったような様子で、ハルト様が文句を言いました。プレヤさんと話しているときとも、わたくしと話しているときとも違っていて、なんだかとっても新鮮です。