(よかった……もう大丈夫だ)


 俺はほっと安堵のため息をつく。
 プレヤさんのおかげで炎の威力はかなり弱くなった。人数も揃ったし、このまま続ければ、短時間で消し止めることが可能だろう。


 けれど次の瞬間、ボン! と大きな爆発音が聞こえてきた。


「なっ……」


 建物が揺れ、足元がぐらつく。音が聞こえたのは上のほう――クラルテが向かった先だ。


(クラルテ、大丈夫……だよな?)


 大丈夫。きっとクラルテは無事に逃げている。絶対、絶対大丈夫だ。――必死にそう言い聞かせてみるものの、心臓はバクバクと嫌な音を立てて鳴り響くし、不安のあまり身体が震える。


「ハルト」

「……わかってます」


 ぐっと歯を食いしばり、俺は消火活動を続けた。