志望校には有名な大学がずらり。



その中にある評価の欄にアルファベットが書かれてある。



第一志望から第三志望の大学の合格可能性の評価……C。



合格可能性50%と書かれていた。



僕は夏実に見たまんまのことを伝え、模試の結果を夏実に返した。



夏の模試はA評価だったらしい。



でも、Cだからといって、

落ち込む必要はないらしい。



それを今田がクラスの皆んなに説明してくれた。



「——まだ2年もあると考えるか、もう2年しかないと考えるかはお前たち次第だ。

A評価を貰った人は、もっと上の大学を狙えるし、C評価の人はボーダーラインで、まだまだ可能性はある。

E評価の人はワンランク下の大学に下げるか、今から心を入れ替えて頑張るしかない!」



「自分の進路、そして、これからの人生に悔いを残さないようにするためにも、この結果を踏まえて頑張って欲しい!いいか、分かったなあ?!」



今田の言葉をクラス中の生徒達が真剣に聞いていた。



夏実はAからCに評価は下がってしまったけど、決して悪い評価ではない。



あとは、この評価を夏実の親がどう判断するかだけだった。



「あとそれから、今日の模試の結果を踏まえて、親御さんたちと三者懇談をするから、これからどうしていくかだけ考えておくように!」



今田の言葉で自分の置かれた立場に焦りを覚える。



僕なんて全てがE評価……。






絶望的な結果で、1週間後の三者懇談で親に何て言われるか、気が気ではなかった。



「一回、親に聞いてみるよ」



夏実はほんの少しだけ微笑み、僕に言ってきた。



「え!何を?」



「C評価になっちゃったけど、これからもっと勉強、頑張るから部活を続けたいって!」



「そっか、分かってくれたらいいな」



僕は優しく微笑み返し、もう一度、

自分の模試の結果を不安そうに眺める。



もう変わることのない評価をただひたすらに見つめることしかできなかった。