人生は虹色〜兄が僕に残した言葉〜





「…………ん?んゔゔ」



視界に入る突然の明かりと聴き飽きた目覚まし時計に、嫌気をさしながら、僕はゆっくりと目を覚ました。



『おはよう!朝だよ!ぐうう』とひたすら繰り返すだけの目覚まし時計と僕は睨めっこ。


勝てっこない相手に降参したのか。


僕は両手いっぱいに手を広げ、背中を大きく反らしながら、身体を伸ばした。



どうも学校のある朝の目覚めは最悪で、気分良く目を覚ませたことなんて一度もない。



はァア、めんどくせぇ!



僕は朝の支度を簡単に済ませ、朝食を食べに、リビングへと向かった。



食パンを一枚焼き、その上にチョロっとシーチキンを乗せただけの、簡単にも程がある母さんお手製の朝食に手をつける。



同じ空間には、新聞を読む父さんと化粧をしている母さんがいて、すぐ側には僕の貴重なシーチキンを狙う飼い猫の茶々がいた。



垂れ流しのテレビが静寂な空気を少しばかり、良くしていてくれた気がする。


うちには『おはよう』や『ただいま』、

『行ってきます』なんて挨拶は存在しない。



無の空間に平気で慣れてしまった僕は、朝ごはんを食べ、学校へと向かった。