人生は虹色〜兄が僕に残した言葉〜

僕は裏にある物小屋に自転車をしまうと、鍵のかかっていない勝手口から入った。



静まり返ったリビングから飼い猫の茶々《チャチャ》がお出迎え。



番犬ならぬ番猫。

今日も飼い主の僕のご帰宅を優しく迎え入れてくれる。


ここが僕の家。

両親と一番上の亨兄ちゃん、そして、飼い猫の茶々の4人と1匹で暮らしている。



父さんは地元で大工をしており、母さんは近くにある病院で介護士をしていた。



二人とも帰りが遅く、小さい時からこの環境に慣れている。



そして、真ん中の航兄ちゃんはというと、隣に家を建て、奥さんと3人の我が子に囲まれながら幸せに暮らしていた。



航兄ちゃんの子である甥っ子は僕にとっても可愛い存在で、母さん達は孫たちを溺愛する毎日だった。



いつしか可愛い可愛いと、育ててきてもらった僕の順位はみるみる下に下がり、今ではほっとかれるほど茶々よりも順位が下。



別に両親の愛情を感じなくなったからといって、捻くれたりするまで僕は弱い生き物ではない。



ただ寂しさが残っているだけ。



僕は自分の部屋に入り、鞄を放り投げて、いつものようにベットへ飛び込んだ。



目を閉じるわけでもなく、天井をジッと見上げる。



静まり返った空気に耐えきれなくなり、携帯電話から音楽を垂れ流したまま、いつのまにか僕は深い眠りについていた。