その日以降、私は金持くんとよく会うようになった。
大学の帰りに待ち合わせして、この付近にある隠れ家みたいな居酒屋巡りをしたり。何もない休日は映画館に行って感想を言い合ったり、日帰りで遠出に行ったりもした。
もう何年も会ってなかったのに、金持くんと過ごす時間はとても穏やかで楽しい。最近は次に金持くんと会えるのがいつなのか、スケジュール帳を見るのが癖になってしまっていた。
「澪ちゃん、最近めっちゃ可愛くなったよね」
「え?」
「いや前から可愛かったけど、笑顔が増えたというか」
大学の友達──奈子ちゃんがまじまじと私の顔を観察して、ハッと手を叩く。
「分かった! ついに彼氏ができたな⁉」
「ふふ、できてないよ」
「ええ? そっかぁ……でも良いことはあったんでしょ? 楽しそうだもん」
「うん。この前から金持くんと遊ぶようになって」
「ん、ん、え、何? 何? 詳しく聞かせてくれます?」
金持くんと再会した経緯をざっくり話したら、奈子ちゃんはたっぷりと間を置いて。
「……それデートって言うんだよ、澪ちゃん」
「え」
諭すように言われてしまい、私は頬が火照るのを自覚しながら慌ててかぶりを振った。
「い、いや、あの、金持くんはデートなんて一言も言ってないから、ええと」
「あー良かった澪ちゃんも照れたりするんだ安心した……。結婚式には呼んでね」
「奈子ちゃん……!」
大学の帰りに待ち合わせして、この付近にある隠れ家みたいな居酒屋巡りをしたり。何もない休日は映画館に行って感想を言い合ったり、日帰りで遠出に行ったりもした。
もう何年も会ってなかったのに、金持くんと過ごす時間はとても穏やかで楽しい。最近は次に金持くんと会えるのがいつなのか、スケジュール帳を見るのが癖になってしまっていた。
「澪ちゃん、最近めっちゃ可愛くなったよね」
「え?」
「いや前から可愛かったけど、笑顔が増えたというか」
大学の友達──奈子ちゃんがまじまじと私の顔を観察して、ハッと手を叩く。
「分かった! ついに彼氏ができたな⁉」
「ふふ、できてないよ」
「ええ? そっかぁ……でも良いことはあったんでしょ? 楽しそうだもん」
「うん。この前から金持くんと遊ぶようになって」
「ん、ん、え、何? 何? 詳しく聞かせてくれます?」
金持くんと再会した経緯をざっくり話したら、奈子ちゃんはたっぷりと間を置いて。
「……それデートって言うんだよ、澪ちゃん」
「え」
諭すように言われてしまい、私は頬が火照るのを自覚しながら慌ててかぶりを振った。
「い、いや、あの、金持くんはデートなんて一言も言ってないから、ええと」
「あー良かった澪ちゃんも照れたりするんだ安心した……。結婚式には呼んでね」
「奈子ちゃん……!」



