そこでハッと気づくあおいは、慌てて身を乗り出して和真に聞いた。
「あの!それってお姉ちゃんとの顔合わせって意味ですよね!?本人がいないのに…」
「……まぁ…社長が何とかするでしょう。元々、食事会を言い出したのは社長なので」
少し考えた和真だが、なんとも能天気な回答が返ってきて、あおいはへなへなと背もたれに力なく寄りかかった。
母親も遠い目をして無言になる。
(とにかく…バレないようにしないと……)
その頃、前を走る三森の車中では、いまだに胃をキリキリと鳴らす父親と社長の二人きり。
絶えず緊張感にさらされる父親は、自分から話しかけた。
「あの…社長、お話しとは…」
「今からの食事会は、名目は義妹の入学祝いと称しているが、和真がすでに婚姻関係があることを発表する場なのが本命だ」
「え…え!?すみれはいないんですよ!?」
腕組みをする社長は、ふふふと笑うと、じろりと横目であおいの父親を見る。
「いないものはいないもの。どう言おうと言われようと構わんだろう。それに、これは和真へ婚姻関係をすすめようとしていた愚か者たちに‟無駄”と示すいい機会なのだ。君は付き合わなければならんだろう?」
「…っ…は、はい…承知いたしました」
父親の膝の上に置いていた手はこぶしとなり、グッと握られた。
この食事会は、和真ひいては小鳥遊家に関することが話されるだけの会。
そして、行方不明のすみれが晒し上げられる可能性があるうえに、あおいにまで飛び火する場合もあると感じ取った。
唇をかみしめて堪える父親は、何としてもすみれとあおいを守る覚悟を、密かに決意するのだった。
「あの!それってお姉ちゃんとの顔合わせって意味ですよね!?本人がいないのに…」
「……まぁ…社長が何とかするでしょう。元々、食事会を言い出したのは社長なので」
少し考えた和真だが、なんとも能天気な回答が返ってきて、あおいはへなへなと背もたれに力なく寄りかかった。
母親も遠い目をして無言になる。
(とにかく…バレないようにしないと……)
その頃、前を走る三森の車中では、いまだに胃をキリキリと鳴らす父親と社長の二人きり。
絶えず緊張感にさらされる父親は、自分から話しかけた。
「あの…社長、お話しとは…」
「今からの食事会は、名目は義妹の入学祝いと称しているが、和真がすでに婚姻関係があることを発表する場なのが本命だ」
「え…え!?すみれはいないんですよ!?」
腕組みをする社長は、ふふふと笑うと、じろりと横目であおいの父親を見る。
「いないものはいないもの。どう言おうと言われようと構わんだろう。それに、これは和真へ婚姻関係をすすめようとしていた愚か者たちに‟無駄”と示すいい機会なのだ。君は付き合わなければならんだろう?」
「…っ…は、はい…承知いたしました」
父親の膝の上に置いていた手はこぶしとなり、グッと握られた。
この食事会は、和真ひいては小鳥遊家に関することが話されるだけの会。
そして、行方不明のすみれが晒し上げられる可能性があるうえに、あおいにまで飛び火する場合もあると感じ取った。
唇をかみしめて堪える父親は、何としてもすみれとあおいを守る覚悟を、密かに決意するのだった。
