玄関先で待っていた両親と合流したあおいは、ようやくひと息ついた。
「ここの学園すごいねぇ…」
「お父さんってばずっと緊張してるのよ」
「胃痛がする……」
両親も同じ気持ちだったようで、あおいのようにふーっと息を吐いていたが、父親の方はキリキリと鳴るお腹を押さえる。
父親の様子に苦笑いをしていたあおいは、ふと周囲のザワつきに気づいた。
なんとなく身に覚えのあるザワつきに振り返ると、校舎内から和真と小鳥遊社長が出てきた。
高身長の和真はひときわ目立つため、女子生徒は容姿に見惚れ、男子生徒は富豪の小鳥遊にどよめく。
(やっぱり和真さんだ…)
予感が的中したあおいの背中を押すように、強い風がなびくと髪の毛と一緒に桜も舞った。
ほんの一瞬、目を閉じていただけなのに、目の前に和真がいることに驚く。
髪の毛を抑えながら和真を見上げると、やはり祝辞のシーンを思い出して顔が熱くなってしまった。
思わず目を逸らしたが、和真の手が伸びてきた。
「きれいですね」
咲とは違う無表情ではなく、無機質に近い顔でぽつりとつぶやく和真。
ドキッ
鼓動が早くなるのを感じるあおいは、ますます和真の顔を見られなくなる。
和真の手は、あおいの髪の毛についていた桜の花弁を取り上げた。
チラリと視線を和真に向けるが、取った桜を見る和真の目が寂しさの色を帯びているように感じたのだ。
「あ…」
「社長!小鳥遊さんも、本日はありがとうございます!」
「ご足労いただいて、ありがとうございます」
あおいが口を開きかけたとき、両親が揃って社長と和真に声をかける。
話すきっかけを失ったあおいは、すぐに口を閉じて、両親と和真たちから一歩下がった。
「理事の私が出ないわけにもいかんしな。それにあおいさんの良き日になって良かった」
「僕も元より社長に言われていたので出席したまでです。この後ですが……ちょうど来たみたいですね」
和真の視線が門の方へ向くと、一同の視線も同じ場所へ向かう。
三森が運転する送迎の車が二台きた。
四人の前にピタリと止まると、三森が降りて後部座席のドアを開けにやってきた。
「和義《かずよし》様、和真様、皆様、お待たせいたしました」
「いやいやさすが三森だ。時間通りだよ。店の方も準備は?」
「はい。できているようです。道中、整ったとの連絡をいただきました」
「ふむ。よし。では行こうか」
さっそく車に乗り込む小鳥遊社長に、ポカンとした表情をする海崎家。
すでに座ってシートベルトをする社長は、にやりと笑う。
「ここの学園すごいねぇ…」
「お父さんってばずっと緊張してるのよ」
「胃痛がする……」
両親も同じ気持ちだったようで、あおいのようにふーっと息を吐いていたが、父親の方はキリキリと鳴るお腹を押さえる。
父親の様子に苦笑いをしていたあおいは、ふと周囲のザワつきに気づいた。
なんとなく身に覚えのあるザワつきに振り返ると、校舎内から和真と小鳥遊社長が出てきた。
高身長の和真はひときわ目立つため、女子生徒は容姿に見惚れ、男子生徒は富豪の小鳥遊にどよめく。
(やっぱり和真さんだ…)
予感が的中したあおいの背中を押すように、強い風がなびくと髪の毛と一緒に桜も舞った。
ほんの一瞬、目を閉じていただけなのに、目の前に和真がいることに驚く。
髪の毛を抑えながら和真を見上げると、やはり祝辞のシーンを思い出して顔が熱くなってしまった。
思わず目を逸らしたが、和真の手が伸びてきた。
「きれいですね」
咲とは違う無表情ではなく、無機質に近い顔でぽつりとつぶやく和真。
ドキッ
鼓動が早くなるのを感じるあおいは、ますます和真の顔を見られなくなる。
和真の手は、あおいの髪の毛についていた桜の花弁を取り上げた。
チラリと視線を和真に向けるが、取った桜を見る和真の目が寂しさの色を帯びているように感じたのだ。
「あ…」
「社長!小鳥遊さんも、本日はありがとうございます!」
「ご足労いただいて、ありがとうございます」
あおいが口を開きかけたとき、両親が揃って社長と和真に声をかける。
話すきっかけを失ったあおいは、すぐに口を閉じて、両親と和真たちから一歩下がった。
「理事の私が出ないわけにもいかんしな。それにあおいさんの良き日になって良かった」
「僕も元より社長に言われていたので出席したまでです。この後ですが……ちょうど来たみたいですね」
和真の視線が門の方へ向くと、一同の視線も同じ場所へ向かう。
三森が運転する送迎の車が二台きた。
四人の前にピタリと止まると、三森が降りて後部座席のドアを開けにやってきた。
「和義《かずよし》様、和真様、皆様、お待たせいたしました」
「いやいやさすが三森だ。時間通りだよ。店の方も準備は?」
「はい。できているようです。道中、整ったとの連絡をいただきました」
「ふむ。よし。では行こうか」
さっそく車に乗り込む小鳥遊社長に、ポカンとした表情をする海崎家。
すでに座ってシートベルトをする社長は、にやりと笑う。
