それから、2人分のコーヒーを淹れ終えると、各々がカップを持ちリビングへ戻った。
ただし、和真はダイニングテーブルの椅子に座り、あおいと距離を取ったのだ。
和真の発言を少し待っていたあおいだが、話を切り出す。
「あの…小鳥遊さん…これからの生活で何か決まり事はありますか?小鳥遊さんのルールとか…」
「では、その小鳥遊さんを辞めてください」
カップに口をつけて、チラリとあおいを見た。
一口飲んだ音が微かに聞こえると、カップを置く。
「代役ではありますが、あおいさんと僕は夫婦です」
「は、はい…わかりました…」
不意に、初めて名前を呼ばれたあおいは、ドキッとしてしまった。
父親以外の異性に名前を呼ばれるのは初めてだったので、あおいはそのせいだと感じる。
そして、和真は話を続けた。
「あと、決まり事もルールもありません」
「じゃあ、小鳥遊さんは何で敬語なんですか…?」
「…元々こういう口調なのですが…嫌でしたら努力します」
少し気まずそうな表情を見せる和真の言葉に、ブンブンと首を横に振るあおい。
「あと、僕の名前知りませんか?」
「いいえ!……か、和馬さん…です」
「はい、正解です」
恥ずかしそうに小さく答えるあおいへ、和真はフッと笑みをこぼした。
ブワッとあおいの顔が熱くなると、鼓動までもが早く変化する。
(わ、笑った…!!)
しかし、すぐに和真から笑みが消えて、今日見た無表情に戻った。
あおいは、残念に感じながらも、これからの和真との関係を良好にできそうな淡い期待を持ち始める。
「えっと…小鳥遊さ…和真さん、姉の代役がきちんと務まるよう頑張るので、改めてよろしくお願いします」
「いいえ、頑張る必要はありません」
「え…?」
頭を下げたあおいは、予期していなかった返答に顔を上げて和真を見た。
あおいと視線を交わす和真は、少し考えて口を開く。
「あおいさんには、特に期待していません。4月から高校生でしたよね。むしろ学生の本分を務め上げてください」
呆然とするあおいの頭は真っ白だ。
抱いた期待がこんなにも簡単に砕かれるのか、そんな考えがぼんやり浮かぶあおい。
一瞬、俯きかけるが、グッと堪える。
「そ、うですね…!そっちを頑張ります!」
「はい、そうしてください。では、僕は今日は休みます。…あ、あおいさんの部屋を教えていませんでした。案内します」
立ち上がる和真に、あおいも黙って立ち上がると、置いていた荷物を持とうと手を伸ばした。
しかし、すぐに和真が持ち、リビングを出る。
あおいは、そのまま後ろからついて行った。
ただし、和真はダイニングテーブルの椅子に座り、あおいと距離を取ったのだ。
和真の発言を少し待っていたあおいだが、話を切り出す。
「あの…小鳥遊さん…これからの生活で何か決まり事はありますか?小鳥遊さんのルールとか…」
「では、その小鳥遊さんを辞めてください」
カップに口をつけて、チラリとあおいを見た。
一口飲んだ音が微かに聞こえると、カップを置く。
「代役ではありますが、あおいさんと僕は夫婦です」
「は、はい…わかりました…」
不意に、初めて名前を呼ばれたあおいは、ドキッとしてしまった。
父親以外の異性に名前を呼ばれるのは初めてだったので、あおいはそのせいだと感じる。
そして、和真は話を続けた。
「あと、決まり事もルールもありません」
「じゃあ、小鳥遊さんは何で敬語なんですか…?」
「…元々こういう口調なのですが…嫌でしたら努力します」
少し気まずそうな表情を見せる和真の言葉に、ブンブンと首を横に振るあおい。
「あと、僕の名前知りませんか?」
「いいえ!……か、和馬さん…です」
「はい、正解です」
恥ずかしそうに小さく答えるあおいへ、和真はフッと笑みをこぼした。
ブワッとあおいの顔が熱くなると、鼓動までもが早く変化する。
(わ、笑った…!!)
しかし、すぐに和真から笑みが消えて、今日見た無表情に戻った。
あおいは、残念に感じながらも、これからの和真との関係を良好にできそうな淡い期待を持ち始める。
「えっと…小鳥遊さ…和真さん、姉の代役がきちんと務まるよう頑張るので、改めてよろしくお願いします」
「いいえ、頑張る必要はありません」
「え…?」
頭を下げたあおいは、予期していなかった返答に顔を上げて和真を見た。
あおいと視線を交わす和真は、少し考えて口を開く。
「あおいさんには、特に期待していません。4月から高校生でしたよね。むしろ学生の本分を務め上げてください」
呆然とするあおいの頭は真っ白だ。
抱いた期待がこんなにも簡単に砕かれるのか、そんな考えがぼんやり浮かぶあおい。
一瞬、俯きかけるが、グッと堪える。
「そ、うですね…!そっちを頑張ります!」
「はい、そうしてください。では、僕は今日は休みます。…あ、あおいさんの部屋を教えていませんでした。案内します」
立ち上がる和真に、あおいも黙って立ち上がると、置いていた荷物を持とうと手を伸ばした。
しかし、すぐに和真が持ち、リビングを出る。
あおいは、そのまま後ろからついて行った。
