テーブルにおかずを並べ始めると、和真はタブレットを置いて、席に着いた。
自分がリクエストした肉じゃがが目の前に置かれると、じっと見つめる。
あおいは、作り置きおかずの魚の煮つけを自分の前に出すと、席に着いた。
「あおいさんは魚なんですか?」
「はい…昨日、要らないとは聞いてたんですけど、作っちゃってて…」
「僕も食べていいですか?」
「だ、ダメです!!」
思わず魚の皿を取り上げてしまうと、取りかけていた和真の手が宙で止まる。
お互い無言となってしまったため、妙な静けさになった。
(残り物…というか、一日経った物を和真さん…小鳥遊の家の人には食べさせられない…!!)
いつもの無表情であおいをじぃっと見つめる和真。
譲れないあおいも頑張って視線に耐え、器を渡そうとはしない。
「…魚が食べたいです」
「だめです」
「魚の煮つけもリクエストします」
「……っ…」
「リクエストは受け付けてもらえると言われました」
その言葉で、とうとうあおいが折れる。
魚の煮つけが盛られた器は、和真とあおいの真ん中に置かれた。
「…和真さん、ずるいです…」
「あおいさんが先に言ったことです」
ボソッと呟く声も聞き逃さなかったのか、すかさず反論すると、手を合わせて食事を始めた。
バツの悪い顔でちまちまと食べるあおいに、茶碗を差し出した。
「やっぱりあおいさんの料理は美味しいです。おかわりをください」
「…はい」
褒め言葉をもらえれば、さっきまでのムッとした感情はどこかに行ってしまうくらい、嬉しさが勝る。
少しだけ照れた表情を見せると、あおいはご飯を注ぎに行った。
(やっぱりずるい…)
…―
食事を終えた二人は、片付け終えると、各々の部屋へ。
テストを控えたあおいは、午前中の復習をし始めると、しっかりと解けた自分に驚いてしまう。
「祐希くんにお礼!」
一人唸っていた問題の解き方を教えてもらったお礼を送ると、通話音が鳴る。
「び、びっくりした、もしもし」
「ははっ、B問解けたって?それだけでわざわざわお礼言うの律儀すぎ」
「授業でもずっとわかんないままだったから、祐希くんのおかげ!」
「じゃあ、明日の放課後も教えるよ。ホームルーム終わったらクラス行くよ」
「い、いいよいいよ!自習室に集合したほうが…席も確保できるし!」
しばらく他愛のない話をして通話を切った。
不安に感じていた学園生活に、楽しみが増えてきた気がして、あおいは笑みをこぼしつつ、ベッドに横になった。
一方、まだタブレット端末を操作している和真は、フーッとため息のような息を吐く。
椅子の背もたれに寄りかかれば、ギシリとしなる音がした。
「…なし、か…」
ぽつりと呟いた一言は夜更けの部屋に響いた。
自分がリクエストした肉じゃがが目の前に置かれると、じっと見つめる。
あおいは、作り置きおかずの魚の煮つけを自分の前に出すと、席に着いた。
「あおいさんは魚なんですか?」
「はい…昨日、要らないとは聞いてたんですけど、作っちゃってて…」
「僕も食べていいですか?」
「だ、ダメです!!」
思わず魚の皿を取り上げてしまうと、取りかけていた和真の手が宙で止まる。
お互い無言となってしまったため、妙な静けさになった。
(残り物…というか、一日経った物を和真さん…小鳥遊の家の人には食べさせられない…!!)
いつもの無表情であおいをじぃっと見つめる和真。
譲れないあおいも頑張って視線に耐え、器を渡そうとはしない。
「…魚が食べたいです」
「だめです」
「魚の煮つけもリクエストします」
「……っ…」
「リクエストは受け付けてもらえると言われました」
その言葉で、とうとうあおいが折れる。
魚の煮つけが盛られた器は、和真とあおいの真ん中に置かれた。
「…和真さん、ずるいです…」
「あおいさんが先に言ったことです」
ボソッと呟く声も聞き逃さなかったのか、すかさず反論すると、手を合わせて食事を始めた。
バツの悪い顔でちまちまと食べるあおいに、茶碗を差し出した。
「やっぱりあおいさんの料理は美味しいです。おかわりをください」
「…はい」
褒め言葉をもらえれば、さっきまでのムッとした感情はどこかに行ってしまうくらい、嬉しさが勝る。
少しだけ照れた表情を見せると、あおいはご飯を注ぎに行った。
(やっぱりずるい…)
…―
食事を終えた二人は、片付け終えると、各々の部屋へ。
テストを控えたあおいは、午前中の復習をし始めると、しっかりと解けた自分に驚いてしまう。
「祐希くんにお礼!」
一人唸っていた問題の解き方を教えてもらったお礼を送ると、通話音が鳴る。
「び、びっくりした、もしもし」
「ははっ、B問解けたって?それだけでわざわざわお礼言うの律儀すぎ」
「授業でもずっとわかんないままだったから、祐希くんのおかげ!」
「じゃあ、明日の放課後も教えるよ。ホームルーム終わったらクラス行くよ」
「い、いいよいいよ!自習室に集合したほうが…席も確保できるし!」
しばらく他愛のない話をして通話を切った。
不安に感じていた学園生活に、楽しみが増えてきた気がして、あおいは笑みをこぼしつつ、ベッドに横になった。
一方、まだタブレット端末を操作している和真は、フーッとため息のような息を吐く。
椅子の背もたれに寄りかかれば、ギシリとしなる音がした。
「…なし、か…」
ぽつりと呟いた一言は夜更けの部屋に響いた。
