「…琉さん!今日はいつもより遅かった」 「俺がくる時間、把握してんの?待っててくれた?」 「別に待っては、ない。常連さんだから分かるだけ」 「素っ気ないの、そろそろやめてよ。あんまり意地悪されると、こっちもやり返したくなっちゃう」 今日はお店にお客さんがいなかったから、俺を拒否する理由は優衣ちゃんにない。 カウンターの中に入って、俺のサースティキャメルを作る優衣ちゃんの横髪を耳にかけた。 ビクッと体が跳ねると、みるみるうちに耳が真っ赤になっていく。