神様が引き合わせてくれたのかも…って勝手に運命を感じて、勢いで告白した。
「私は…雫玖くんと出会ってからずっと、毎日が宝物だから…」
だから、思い出せない出来事なんてないんだよ。
こういうときね。
雫玖くんと私の、愛の重さって言うか…熱量が違い過ぎて、虚しくなる。
覚えてないらしいしね。
大事な出会いの日のこと…。
「…そ」
「雫玖くんは、違う…?」
「さぁね」
だよね…。
私なんて、そんなものだ。
いくら好きと言ってもらえたって、どこまでが本心なのかわからない。
ひとりで勝手に悲しくなっていたら、今度は首筋をなめられた。
「…バカ依緒」
「ば、ばか…っ!?」
「バカだよ、ホント」
そんなこと言われる筋合いはないんだけど。
…でも、少なくとも雫玖くんを不愉快な気分にさせてしまったのだろう。
「ご、ごめんね…」
素直に謝っただけなのに。
「…依緒って、ムカつく」
また悪態をつかれてしまうくらいには。
雫玖くんにとって、私の存在なんてまだまだらしい。