「自信持ってよ。…俺の彼女でしょ?」




あぁ…。
彼女っていう響き、夢みたいだなぁ。





そもそも、私たちのなれそめは。



私が、雫玖くんのことを一方的に好きで。
ダメもとで告白してみたら、OKされちゃって。



そして今に至るわけなんだけど…。





「雫玖くんは…いつ、好きになってくれたの?」





それをまだ聞いてなかった。
…なのに、雫玖くんは目をそらす。





「…知らない。いちいち覚えないし」


「えぇ…?」




そういうものかなぁ。
私は覚えてるよ。



入学してすぐの頃、道に迷って図書室にたどり着けない私を助けてくれたのが雫玖くんだった。




それ以来、雫玖くんを目で追うようになった。
あわよくば、話せないかなぁとか。
触れないかなぁ、とか。




一年のときはクラスが違ったけど。
二年にあがると同じクラスになった。