【短編】雫玖くんの甘いところ。





「でも、依緒が悪いよ」


「…え、私…?」





な、何かしたっけ。
心当たりないような、逆に心当たりしかないような…。





「だって。…依緒は、俺がどんだけお前を好きなのか分かってなさすぎるから」


「…そ、れは…」





……わかんないよ。ちっとも。
雫玖くんの愛情表現って、わかりにくい。




かっこいい人って、女の子の扱いに慣れてるイメージあるし。
現に、雫玖くんもそうだし…。




私だけ特別じゃないのかなって、どうしても思っちゃう。





「はぁ。依緒はさぁ。俺とはじめて出会ったのが、入学式のあとだと思ってんじゃん」


「…え? うん」





図書室への行き方を教えてくれた日だよね?
そうじゃないの…?