「…依緒さぁ」
「うん…？」
「言いたいことあるなら、言えば？」
「…え」
言いたいことなんか、別に…。
……いや、うん、まぁ。
きっと、あの委員会の子の話だよね。
モヤモヤはするけど、雫玖くんは私の彼氏だし、大丈夫…信じてる。
…そうだよね？
「そうやってひとりで抱え込んでるから、体調崩すんでしょ」
「…だ、だって」
「俺。…依緒に言われて嫌なことなんか、ほぼないし」
いや…。
…嘘だぁ。
「嘘って思ってる？ …残念ながら、たぶん依緒に暴言吐かれても可愛いなって思っちゃうくらい、やべーやつなの、俺」
…信じられない。
雫玖くんが”やべーやつ”だというなら、私も全力で対抗したい。
