【短編】雫玖くんの甘いところ。







ーーパチ。




目を覚ますと、白い天井に白いカーテン。
白いベッド…。



そうか、先生がいなかったから、勝手にベッドを借りて…。




……ん?
なんか。掛け布団が、重い…?





「——…わぁっ!?」





び、び、びっくりしたぁ…。



あわてて上半身を起こすと、そこに顔を伏せて寝ていた人物……紛れもなく、雫玖くんが顔をあげた。





「なに…寝起きから元気だね…」


「…や、な、なにじゃないよっ」




なんで雫玖くんがいるの…!



私の驚きように雫玖くんはふっと笑って。
…私は、またその顔に見とれてしまう。





「彼女の心配しちゃ悪いの?」


「いや…そういうわけじゃ…」





付き合ってるのを隠してる手前、空き教室以外の場所で会うとドギマギしてしまう。
私だけなんだろうけど…。