俺だけが知ってればいい。





「…大好き、依緒」





優しく、優しく抱きしめる。
依緒、マジで好きだよ。



はやく思い出して。
俺たちの出会いの日。





「し、雫玖くん」


「…うん」


「私も、大好きっ……」




ぎゅって抱きしめ返して、俺の首に顔をうずめてくる依緒。



…はぁ…?



なんでこんな可愛いわけ。
理解不能。
ちょっとマジで…。





「俺、もうダメかも」


「えっ!?」


「依緒にダメにされた」




ぜんぶ、お前のせい。



依緒の甘い匂いにやられてる。
毎日。




俺のほうがドキドキしてそうで、悔しい。
でもね。たまには、負けてあげる。





…お手上げ。
依緒が可愛すぎるから、もう目離せない。