翌日も言えの前では山田さんちの火事が話題になっている。 「そうだよ。 週刊誌を投げ込んだってやつが犯人だよ。」
だからって俺じゃねえぞ。 あの時は家でのんびり寝てたんだからな。
「だけど最近は我儘な若いやつが増えたよねえ。」 じいさんとばあさんが俺の家を睨んでいる。
あんたらにめちゃくちゃ言われるほど我儘なことはしていませんがね。 ガラッと窓を開けて睨んでやる。
するとこのばあさんたちは蠅叩きに追われる蠅みたいにバタバタと逃げてしまうんだ。 しょうもない。
朝も早いうちからペチャクチャと話し込むものだから目が覚めちまってイライラしている。 そこで芳江と絡んでやった。
「ああもう、、、、。 朝から変なことしないでよ。」 「あれだけ喜んでたのに?」
「そりゃさあ、澄まないなとは思うけど朝からあれは無いでしょう?」 「しゃあねえだろう? ばあさんたちが家の前でペチャクチャお喋りしてるんだもん。 文句はあいつらに言ってくれ。」
「そうねそうね。 大事な旦那様だもんね。 子種をありがとうございます。」 「何だい、それ?」
「いいのいいの。 後で分かるわよ。」 芳江は鼻歌を歌いながら出掛けて行った。
俺はというと朝早く起こされたことでどうも機嫌が悪いんだ。 レコードを聴いていてもなんか面白くない。
そこへ、、、。 「おーーい、居るか?」と声が聞こえた。 「居ないぞーーーーー。」
「居るじゃねえか。 兄貴よ。」 健太郎である。
「誰がお前の兄貴だって?」 「お前だよ。 お前。」
「俺様はお前ごときの兄貴でも何でもないぜ。」 「なあ、そう言わずに聞いてくれよ。」
「また振られたのか?」 「そうじゃなくてだなあ、、、。」
「何だよ?」 「パチンコで負けちまって、、、。」
「金なら無いぜ。 しっし。」 「そう言わずにさあ、、、。」
「殺される前に消え失せろ。 鯰。」 「うわーーーーー、、、。」
実家は金持ちなのになぜかパチンコでやらかす健太郎を閉め出してから俺はまた居間に入った。 「キャンディーズの歌でも聞きますかねえ。」
ジャケットからレコードを引っ張り出し、針を落とす。 このジャリジャリ パチッて音が堪らない。
いかにも音楽を聴いてるって感じがいいよねえ。 エジソンが実験しなかったらレコードなんて生まれなかったんだよね?
うーーーん、最高! キャンディーズ 可愛い!
ミキ スー ラン、、、どいつもいいよなあ。 こいつは朝から機嫌がいい。
何のこっちゃ?
さてさて落ち着いてきたから仕事に行きますか。 イライラしてたら仕事にならないからねえ。
奥様はもう出掛けていて今頃はスーパーで走り回ってる頃だ。 「おっはようさーーーーん!」
(またか。)っていう顔をしているバイト君に嫌そうな挨拶をぶん投げてから奥の部屋に入る。 するとまあ、たまにしか来ない店長が居ましてね。
「あらあら、今日も元気ねえ。」って昆布茶を飲みながら俺を見る。 「元気だけが取り柄ですから。」
「だからずーーっと辞めないでね。」 「辞めるかもよ。」
「そんなこと言わないで。 寿命が延びるわ。」 「何で延びるんすか?」
「私 魔物だから。」 「分かってるなあ。 朝から冗談きついわ。」
「お互い様よねえ。」 「やられた。」
奥の部屋で繰り広げられるアホらしい漫才を聞きながらバイト君は引継ぎの挨拶に来ました。 「分かった分かった。 お疲れさま。」
バイト君が帰ってしまうと店長は店内を見回して、、、。 「お弁当 売れてるわねえ。 入れとかないと足らないわ。」
そう言いながら電話を掛けます。 「10時にトラックが来るから受け取ってね。」 「了解了解。」
これからしばらくは暇ーーーーーーーな時間。 お弁当タイムまでは客はそんなに来ません。 だから俺も奥の部屋に入ってます。
最初の頃はね、出てないとやばいなって思ったからレジで待ってたんだけど、この頃はのんびりと隠れてることが多いなあ。 たまに来るのはトイレを借りに来るおっさんたち、、、。
(コーヒーくらい買って行けよ。)って思ったことも有るけど、そんな連中は買い物なんて眼中に無い。
用を済ませたらさっさと出て行っちまう。 潔い連中だなあ。
11時を過ぎたらポツリポツリお弁当さんがやってくる。 そうなったら戦闘開始だ。
「今日も唐揚げですか?」 「文句有るか?」
「文句は無いけど飽きないかなって。」 「飽きないから買ってんだ。 余計な心配するな。」
そう言って連日のように唐揚げ弁当を買っていくおっさんが居る。 かと思えば、、、。
「今日もこれでいいわ。」っておにぎりを二つ買っていくお姉さんも居る。
レジを打ってるといろんな客のいろんな顔が見えてくるもんだ。 面白いもんだねえ。
と思っているとたまにはお巡りも弁当を買いに来る。 「お、繁盛してるな。」
「してませんよ。 忙しいだけ。」 「忙しいくらいに売れてるんだろう?」
「売れても儲けにはなりませんよ。」 「なってるだろう? 嘘吐くな。」
お巡りはブツブツ言いながら弁当を買っていくのであります。 いつもはトイレしか使ってくれないのに。
「あいつら調子がいいんだよなあ。 公務員だからって偉そうな顔してさあ。」 コーヒーを飲んでいると、、、。
「やい、決着を付けようぜ!」って飽きもしない太郎が飛び込んでくる。 「またお前かよ? 洋子ちゃんにでも可愛がってもらったらどうなんだ?」
「うっせえ! 出ろ!」 「俺は仕事中なの。 ウジ虫の相手なんかしてる暇は無いんだよ。」
「ウジ虫? 誰のことだ!」 「ほらほら、客が来たからどいてやれ。 馬鹿。」
「おー、勝てないから馬鹿呼ばわりしやがった。 舐めんなよ!」 「迷惑なんだよ。 どいてやれ。」
「うっせえ! 決着を付けるまでは動かんぞ!」 「田島さんでもか?」
「何だと? うわ、、、、。」 「どうしたんだ?」
太郎は田島さんにめーーーーーっちゃ怖がってんだ。 高校生の頃に死ぬほど殴られたことが有ってな。
「忙しそうだな。」 「たまにあいつに絡まれて迷惑なんですけど、、、、。」
「あんなのはほっといても大丈夫だ。」 「そうかなあ? 何も分かってないんだけど、、、。」
「まあ、何か有ったら呼んでくれよ。」 そう言って田島幸太郎さんは弁当とお茶を買っていきました。
実はね、この人は〈や〉の親分なの。 でもだからって滅多なことでは喧嘩はしない。
よく言ってた。 「やくざは喧嘩なんてしないんだ。 暴力団だから喧嘩するんだよ。」って。
それもそうだろうなあ。 やくざには仁義が有る。
仁義を忘れたらやくざじゃないとも言われる。 昔はやくざが多かった。
でも今は伝統的なやくざが減っちまって暴れ隊が増えちまったね。 だから警察もピリピリしてる。
暴れ隊に武器なんて持たれたら警察でも手に負えなくなるからな。 厄介な時代だぜ。
さてさてお弁当タイムが終わったらまたまた暇になるんだわ。 そこでやっと俺も弁当をご馳走になる。
「鮭弁当でも食べるかね。」 外はいい天気だ。
ああ見えても鮭弁当、こう見えても鮭弁当。 毎日同じ物を食ってるような気がするがまあいいか。
遠足にでも行きたい気分で鮭弁当を食らっていると店長が見に来た。 「おやおや元気だねえ。」
「俺は元気だけが取り柄だから、、、。」 「奥さんは元気かい?」
「今日もスーパーで走り回ってますよ。」 「あらあら、マラソンでもやってるのかい?」
「そうじゃなくて、、、、。 仕事が忙しいらしいんだ。」 「あんたは暇なのにねえ。」
(それを言うなっての。) 「まあまあよろしく頼んだよ。」
店長はレジを見回してから帰っていきました。 いいご身分だぜなあ。
弁当を掻き込んでしまうとニヤニヤしながらレジの前に立つ。 そこへ何やらサイレンの音が、、、。
「パト公目、また来やがったか。」 身構えていると、、、。
「ごめん、ちょっとトイレ借りるよ。」ってどっかの巡査が飛び込んできた。 何でも巡回中なんだとかさ。
(おむつくらい持ち込んだらどうなんだよ?) トイレをジロジロと睨んでいるとお巡りは缶コーヒーを一本買って出て行きました。
それだけかーーーーーーーい! 貧乏庶民にお恵みをーーーーーーーー。
って誰が貧乏庶民なんだよ? ああ、いやいやだなあ。
のんびりとしていると学校帰りの子供たちがお菓子を買いに来ます。 少し前なら駄菓子屋で屯していたのにねえ。
アイスとかポテチとかジュースとかそれぞれに買っていきます。 可愛いもんだねえ。
この子供たちがどんな大人になるんだろうねえ? 少なくとも太郎みたいにはならんでくれよ。
だからって俺じゃねえぞ。 あの時は家でのんびり寝てたんだからな。
「だけど最近は我儘な若いやつが増えたよねえ。」 じいさんとばあさんが俺の家を睨んでいる。
あんたらにめちゃくちゃ言われるほど我儘なことはしていませんがね。 ガラッと窓を開けて睨んでやる。
するとこのばあさんたちは蠅叩きに追われる蠅みたいにバタバタと逃げてしまうんだ。 しょうもない。
朝も早いうちからペチャクチャと話し込むものだから目が覚めちまってイライラしている。 そこで芳江と絡んでやった。
「ああもう、、、、。 朝から変なことしないでよ。」 「あれだけ喜んでたのに?」
「そりゃさあ、澄まないなとは思うけど朝からあれは無いでしょう?」 「しゃあねえだろう? ばあさんたちが家の前でペチャクチャお喋りしてるんだもん。 文句はあいつらに言ってくれ。」
「そうねそうね。 大事な旦那様だもんね。 子種をありがとうございます。」 「何だい、それ?」
「いいのいいの。 後で分かるわよ。」 芳江は鼻歌を歌いながら出掛けて行った。
俺はというと朝早く起こされたことでどうも機嫌が悪いんだ。 レコードを聴いていてもなんか面白くない。
そこへ、、、。 「おーーい、居るか?」と声が聞こえた。 「居ないぞーーーーー。」
「居るじゃねえか。 兄貴よ。」 健太郎である。
「誰がお前の兄貴だって?」 「お前だよ。 お前。」
「俺様はお前ごときの兄貴でも何でもないぜ。」 「なあ、そう言わずに聞いてくれよ。」
「また振られたのか?」 「そうじゃなくてだなあ、、、。」
「何だよ?」 「パチンコで負けちまって、、、。」
「金なら無いぜ。 しっし。」 「そう言わずにさあ、、、。」
「殺される前に消え失せろ。 鯰。」 「うわーーーーー、、、。」
実家は金持ちなのになぜかパチンコでやらかす健太郎を閉め出してから俺はまた居間に入った。 「キャンディーズの歌でも聞きますかねえ。」
ジャケットからレコードを引っ張り出し、針を落とす。 このジャリジャリ パチッて音が堪らない。
いかにも音楽を聴いてるって感じがいいよねえ。 エジソンが実験しなかったらレコードなんて生まれなかったんだよね?
うーーーん、最高! キャンディーズ 可愛い!
ミキ スー ラン、、、どいつもいいよなあ。 こいつは朝から機嫌がいい。
何のこっちゃ?
さてさて落ち着いてきたから仕事に行きますか。 イライラしてたら仕事にならないからねえ。
奥様はもう出掛けていて今頃はスーパーで走り回ってる頃だ。 「おっはようさーーーーん!」
(またか。)っていう顔をしているバイト君に嫌そうな挨拶をぶん投げてから奥の部屋に入る。 するとまあ、たまにしか来ない店長が居ましてね。
「あらあら、今日も元気ねえ。」って昆布茶を飲みながら俺を見る。 「元気だけが取り柄ですから。」
「だからずーーっと辞めないでね。」 「辞めるかもよ。」
「そんなこと言わないで。 寿命が延びるわ。」 「何で延びるんすか?」
「私 魔物だから。」 「分かってるなあ。 朝から冗談きついわ。」
「お互い様よねえ。」 「やられた。」
奥の部屋で繰り広げられるアホらしい漫才を聞きながらバイト君は引継ぎの挨拶に来ました。 「分かった分かった。 お疲れさま。」
バイト君が帰ってしまうと店長は店内を見回して、、、。 「お弁当 売れてるわねえ。 入れとかないと足らないわ。」
そう言いながら電話を掛けます。 「10時にトラックが来るから受け取ってね。」 「了解了解。」
これからしばらくは暇ーーーーーーーな時間。 お弁当タイムまでは客はそんなに来ません。 だから俺も奥の部屋に入ってます。
最初の頃はね、出てないとやばいなって思ったからレジで待ってたんだけど、この頃はのんびりと隠れてることが多いなあ。 たまに来るのはトイレを借りに来るおっさんたち、、、。
(コーヒーくらい買って行けよ。)って思ったことも有るけど、そんな連中は買い物なんて眼中に無い。
用を済ませたらさっさと出て行っちまう。 潔い連中だなあ。
11時を過ぎたらポツリポツリお弁当さんがやってくる。 そうなったら戦闘開始だ。
「今日も唐揚げですか?」 「文句有るか?」
「文句は無いけど飽きないかなって。」 「飽きないから買ってんだ。 余計な心配するな。」
そう言って連日のように唐揚げ弁当を買っていくおっさんが居る。 かと思えば、、、。
「今日もこれでいいわ。」っておにぎりを二つ買っていくお姉さんも居る。
レジを打ってるといろんな客のいろんな顔が見えてくるもんだ。 面白いもんだねえ。
と思っているとたまにはお巡りも弁当を買いに来る。 「お、繁盛してるな。」
「してませんよ。 忙しいだけ。」 「忙しいくらいに売れてるんだろう?」
「売れても儲けにはなりませんよ。」 「なってるだろう? 嘘吐くな。」
お巡りはブツブツ言いながら弁当を買っていくのであります。 いつもはトイレしか使ってくれないのに。
「あいつら調子がいいんだよなあ。 公務員だからって偉そうな顔してさあ。」 コーヒーを飲んでいると、、、。
「やい、決着を付けようぜ!」って飽きもしない太郎が飛び込んでくる。 「またお前かよ? 洋子ちゃんにでも可愛がってもらったらどうなんだ?」
「うっせえ! 出ろ!」 「俺は仕事中なの。 ウジ虫の相手なんかしてる暇は無いんだよ。」
「ウジ虫? 誰のことだ!」 「ほらほら、客が来たからどいてやれ。 馬鹿。」
「おー、勝てないから馬鹿呼ばわりしやがった。 舐めんなよ!」 「迷惑なんだよ。 どいてやれ。」
「うっせえ! 決着を付けるまでは動かんぞ!」 「田島さんでもか?」
「何だと? うわ、、、、。」 「どうしたんだ?」
太郎は田島さんにめーーーーーっちゃ怖がってんだ。 高校生の頃に死ぬほど殴られたことが有ってな。
「忙しそうだな。」 「たまにあいつに絡まれて迷惑なんですけど、、、、。」
「あんなのはほっといても大丈夫だ。」 「そうかなあ? 何も分かってないんだけど、、、。」
「まあ、何か有ったら呼んでくれよ。」 そう言って田島幸太郎さんは弁当とお茶を買っていきました。
実はね、この人は〈や〉の親分なの。 でもだからって滅多なことでは喧嘩はしない。
よく言ってた。 「やくざは喧嘩なんてしないんだ。 暴力団だから喧嘩するんだよ。」って。
それもそうだろうなあ。 やくざには仁義が有る。
仁義を忘れたらやくざじゃないとも言われる。 昔はやくざが多かった。
でも今は伝統的なやくざが減っちまって暴れ隊が増えちまったね。 だから警察もピリピリしてる。
暴れ隊に武器なんて持たれたら警察でも手に負えなくなるからな。 厄介な時代だぜ。
さてさてお弁当タイムが終わったらまたまた暇になるんだわ。 そこでやっと俺も弁当をご馳走になる。
「鮭弁当でも食べるかね。」 外はいい天気だ。
ああ見えても鮭弁当、こう見えても鮭弁当。 毎日同じ物を食ってるような気がするがまあいいか。
遠足にでも行きたい気分で鮭弁当を食らっていると店長が見に来た。 「おやおや元気だねえ。」
「俺は元気だけが取り柄だから、、、。」 「奥さんは元気かい?」
「今日もスーパーで走り回ってますよ。」 「あらあら、マラソンでもやってるのかい?」
「そうじゃなくて、、、、。 仕事が忙しいらしいんだ。」 「あんたは暇なのにねえ。」
(それを言うなっての。) 「まあまあよろしく頼んだよ。」
店長はレジを見回してから帰っていきました。 いいご身分だぜなあ。
弁当を掻き込んでしまうとニヤニヤしながらレジの前に立つ。 そこへ何やらサイレンの音が、、、。
「パト公目、また来やがったか。」 身構えていると、、、。
「ごめん、ちょっとトイレ借りるよ。」ってどっかの巡査が飛び込んできた。 何でも巡回中なんだとかさ。
(おむつくらい持ち込んだらどうなんだよ?) トイレをジロジロと睨んでいるとお巡りは缶コーヒーを一本買って出て行きました。
それだけかーーーーーーーい! 貧乏庶民にお恵みをーーーーーーーー。
って誰が貧乏庶民なんだよ? ああ、いやいやだなあ。
のんびりとしていると学校帰りの子供たちがお菓子を買いに来ます。 少し前なら駄菓子屋で屯していたのにねえ。
アイスとかポテチとかジュースとかそれぞれに買っていきます。 可愛いもんだねえ。
この子供たちがどんな大人になるんだろうねえ? 少なくとも太郎みたいにはならんでくれよ。


