玄関先で話し合ってる一団が居る。 老人会の連中らしい。
「そうなんだよ。 山田さんも大変だったらしい。」 「なんでも週刊誌を投げ込んだやつが居るってなあ。」
「そうだそうだ。 若いやつじゃないかって警察も話してたなあ。」 そう言いながらじいさんたちは歩いていくのである。
「頼むから俺のほうを向いて話すのだけはやめてくれ。」 そうなんだよ、老人会のじいさんたちは事件が起きると俺の家の前で立ち話をするんだ。
俺が睨むとさ、急によそよそしい顔をして逃げるくせにさ。
夜になって芳江が帰ってきた。 「ただいまーーーーー。」
「お帰りなさいませ。 お嬢様。」 「止してよ。 お嬢様なんて、、、。」
「いいじゃないか。 元はと言えば食堂の店主令嬢だったんだから。」
「やあねえ。 そんな言い方しないでよ。」 「山田さんはどうだったんだ?」
「今も週刊誌を投げ込んだのが犯人じゃないかって探し回ってるってよ。」 「それでか、、、。」
「何か有ったの?」 「老人会のじいさんたちが家の前で話し込んでたんだよ。」
「あらあら、ほっといていいわよ。 そんなの関係無いから。」 「ですわなあ。」
「さてと、、、夕食はどうする?」 「肉じゃがを作っておきましたです。 はい。」
「あらまあ、よく出来たわねえ お坊ちゃん。」 「お坊ちゃんねえ。」
「不満かなあ?」 「大いに不満ですが。」
「そうかなあ? いっつも私を虐めてる旦那様にはお坊ちゃんがちょうどいいかと思うけどなあ。」 「誰がだよ?」
「あなたよ。 あ、な、た。」 「またそれか。 いいんだもーん。 母ちゃんに叱ってもらうから。」
「ワー、それだけはやめて。」 「だろう? だったらさあ、、、。」
「ごめんなさい。 許してちょうだい。」 「ちょうだい?」
「許してくださーーーーーい。」 「許す。」
「簡単ねえ。」 「あのなあ、俺は腹が減ってるんだ。 さっさと食わせろや。」
「そうねそうね。 旦那さま。」 芳江は笑いながら肉じゃがを温め直して丼に盛った。
「美味しそうじゃない。」 「絶対に美味いっす。」
「自信有るのねえ。」 「もっちろん。」
だってさあ、芳江が居ない間に作り込んだ肉じゃがだぜ。 俺の自慢の一品よ。
「美味しいわねえ。」 「そうか。 良かった良かった。」
芳江がジャガイモを頬張っているのを見ながら俺はご飯を掻き込むのであった。
一方、家の外ではおっさんたちが何やら言い争いをしている。 「ったく、、、、。 飽きないもんだなあ。」
「飽きたら終わりよ。」 「それもそうだ。」
「あなたもね。」 「何だと?」
「あなたも飽きっぽいから困るのよ。」 「へえ。 そんな風に見てたの?」
「お坊ちゃんだからさあ。」 「お前に言われたくないわ。」
「ほらほら、怒った。」 「別に怒ってないけど、、、。」
「その顔で?」 「その顔も何も有るか。 ボケ!」
「うわ、妻に向かってボケだって。」 「じゃなかったら何だよ?」
「私は良い子よ。」 芳江がそう言うものだから俺は椅子ごとひっくり返ってしまった。
「あらあら、悪いこと言ったかな?」 「まったくもう、、、。 ちっとは自分のことを考えろ。 馬鹿。」
「うわ、今度は馬鹿だって。」 「馬鹿じゃなかったら何だよ?」
「私は天才ちゃんよ。」 「もういいわ。」
俺は芳江と話すのを辞めて風呂釜を見に行った。 「さてと、風呂でも沸かすかね。」
最近買い替えたガスの釜である。 「点火一発ーーーーーーーーー。」
それまでは石炭を入れて新聞紙や雑誌も投げ込んで燃やしてたんだ。 いいんだけどさ、うっかりすると消えちゃうんだよね。
だから時々、火の具合を見てなきゃいけなくて、、、。 「面倒だから買い替えましょうよ。」
芳江が言うものだからガス屋に行っていろいろと見せてもらったんだ。 それで買ったわけね。
むろん、出始めのやつだから釜も浴室の中に有る。 危ない気もするんだけど、、、。
いい具合に風呂が沸いてくると芳江を呼ぶ。 「奥様、お風呂が沸きましたでございますが。」
「あらそう。 待ってて。」 そういう時はしばらく動かない。
だってだって面白い番組をやってたりするから。 しょうがないから先に入って済ませてしまうのだ。
1時間ほどして芳江が来た時にはもう俺は風呂から出ていて居間でのんびりしている。 「意地悪。」
「テレビに夢中になっといて意地悪は無いだろう?」 「待ってくれたっていいじゃないよ。」
「お前が来る前にお湯が冷めるわ。」 「沸かし直せばいいじゃない。」
「金が掛かる。」 「そうねそうね。 貧乏だもんねえ あたしたち。」
頬っぺたを膨らませて芳江は風呂に入る。 俺はのんびりとレコードを聴いている。
明日はどうなるんだろうなあ?
「そうなんだよ。 山田さんも大変だったらしい。」 「なんでも週刊誌を投げ込んだやつが居るってなあ。」
「そうだそうだ。 若いやつじゃないかって警察も話してたなあ。」 そう言いながらじいさんたちは歩いていくのである。
「頼むから俺のほうを向いて話すのだけはやめてくれ。」 そうなんだよ、老人会のじいさんたちは事件が起きると俺の家の前で立ち話をするんだ。
俺が睨むとさ、急によそよそしい顔をして逃げるくせにさ。
夜になって芳江が帰ってきた。 「ただいまーーーーー。」
「お帰りなさいませ。 お嬢様。」 「止してよ。 お嬢様なんて、、、。」
「いいじゃないか。 元はと言えば食堂の店主令嬢だったんだから。」
「やあねえ。 そんな言い方しないでよ。」 「山田さんはどうだったんだ?」
「今も週刊誌を投げ込んだのが犯人じゃないかって探し回ってるってよ。」 「それでか、、、。」
「何か有ったの?」 「老人会のじいさんたちが家の前で話し込んでたんだよ。」
「あらあら、ほっといていいわよ。 そんなの関係無いから。」 「ですわなあ。」
「さてと、、、夕食はどうする?」 「肉じゃがを作っておきましたです。 はい。」
「あらまあ、よく出来たわねえ お坊ちゃん。」 「お坊ちゃんねえ。」
「不満かなあ?」 「大いに不満ですが。」
「そうかなあ? いっつも私を虐めてる旦那様にはお坊ちゃんがちょうどいいかと思うけどなあ。」 「誰がだよ?」
「あなたよ。 あ、な、た。」 「またそれか。 いいんだもーん。 母ちゃんに叱ってもらうから。」
「ワー、それだけはやめて。」 「だろう? だったらさあ、、、。」
「ごめんなさい。 許してちょうだい。」 「ちょうだい?」
「許してくださーーーーーい。」 「許す。」
「簡単ねえ。」 「あのなあ、俺は腹が減ってるんだ。 さっさと食わせろや。」
「そうねそうね。 旦那さま。」 芳江は笑いながら肉じゃがを温め直して丼に盛った。
「美味しそうじゃない。」 「絶対に美味いっす。」
「自信有るのねえ。」 「もっちろん。」
だってさあ、芳江が居ない間に作り込んだ肉じゃがだぜ。 俺の自慢の一品よ。
「美味しいわねえ。」 「そうか。 良かった良かった。」
芳江がジャガイモを頬張っているのを見ながら俺はご飯を掻き込むのであった。
一方、家の外ではおっさんたちが何やら言い争いをしている。 「ったく、、、、。 飽きないもんだなあ。」
「飽きたら終わりよ。」 「それもそうだ。」
「あなたもね。」 「何だと?」
「あなたも飽きっぽいから困るのよ。」 「へえ。 そんな風に見てたの?」
「お坊ちゃんだからさあ。」 「お前に言われたくないわ。」
「ほらほら、怒った。」 「別に怒ってないけど、、、。」
「その顔で?」 「その顔も何も有るか。 ボケ!」
「うわ、妻に向かってボケだって。」 「じゃなかったら何だよ?」
「私は良い子よ。」 芳江がそう言うものだから俺は椅子ごとひっくり返ってしまった。
「あらあら、悪いこと言ったかな?」 「まったくもう、、、。 ちっとは自分のことを考えろ。 馬鹿。」
「うわ、今度は馬鹿だって。」 「馬鹿じゃなかったら何だよ?」
「私は天才ちゃんよ。」 「もういいわ。」
俺は芳江と話すのを辞めて風呂釜を見に行った。 「さてと、風呂でも沸かすかね。」
最近買い替えたガスの釜である。 「点火一発ーーーーーーーーー。」
それまでは石炭を入れて新聞紙や雑誌も投げ込んで燃やしてたんだ。 いいんだけどさ、うっかりすると消えちゃうんだよね。
だから時々、火の具合を見てなきゃいけなくて、、、。 「面倒だから買い替えましょうよ。」
芳江が言うものだからガス屋に行っていろいろと見せてもらったんだ。 それで買ったわけね。
むろん、出始めのやつだから釜も浴室の中に有る。 危ない気もするんだけど、、、。
いい具合に風呂が沸いてくると芳江を呼ぶ。 「奥様、お風呂が沸きましたでございますが。」
「あらそう。 待ってて。」 そういう時はしばらく動かない。
だってだって面白い番組をやってたりするから。 しょうがないから先に入って済ませてしまうのだ。
1時間ほどして芳江が来た時にはもう俺は風呂から出ていて居間でのんびりしている。 「意地悪。」
「テレビに夢中になっといて意地悪は無いだろう?」 「待ってくれたっていいじゃないよ。」
「お前が来る前にお湯が冷めるわ。」 「沸かし直せばいいじゃない。」
「金が掛かる。」 「そうねそうね。 貧乏だもんねえ あたしたち。」
頬っぺたを膨らませて芳江は風呂に入る。 俺はのんびりとレコードを聴いている。
明日はどうなるんだろうなあ?



