「厳しいようだけど、それが結衣子の認識だ」

 それからコイツは全く喋らなくなってしまった。

「おい! 呆けてる場合じゃないぞ。しっかりしろよ」
「セ、セフレ……セフレだぞ! なんでだよ! あり得ないだろ‼︎ 」
「しっ! 声が大きいよ。そんなワード、連呼するな」
「や、だって、俺……めちゃくちゃ愛してるのに⁉︎」

 だからそれを俺に言ってどうする。本当に手のかかる弟だ。

「俺に言ってどうする。本人に言わなきゃ伝わらない」

 頭を抱え込む亮平。

「結衣子、俺のこと、好きじゃないのか? ……無理矢理抱かれてたのか?」

 まあ、ネガティブにもなるよな。それは自業自得なんだけど、そうも言ってられない。迷える仔羊には救いの手を、だ。