「……俺、まさか結衣子にラブホへ連れ込まれると思わなかった」
「ちょっ……人聞きの悪いこと言わないで! 仕方ないじゃない。外で吐くし、私のGジャンダメになったんだよ。髪にも付いたし。散々だよ!」
「悪かったな……」
「いいよ、もう。ほら、横になって」

 亮平を寝かせ……ん? 腕を離さない?

「寝るわけないだろ。お前が連れ込んだんだから合意だよな。大学入るまでは我慢してたけど、限界だ」

 え? え?

「まずは上書き」

 えぇ、いつの間にか押し倒されてる?
 体勢、入れ替わってるよ?

「ん、ちょ、……んんん……」

 キスはいつもされてるけど、ちょっとこの場所では……あれ?
 私、ちょっとヤバいんじゃない?

「やっぱ、お前じゃないと……はぁ〜、落ち着く――」

 そ、そんなドキッとするようなこと言わないで!

「……あれ? 私、廣澤君と間接キス?」

 わぁ、私のバカ! 何動揺して余計なこと言っちゃってるの!

「は? お前何言ってんの? ……ありえねぇ。ムカつくこと言うな」

 思い出させちゃった?
 あ、歯磨いたから間接キスじゃないってことか。
 
「ご、ごめ……ん、ん、んー!」

 怒りに任せた噛みつくようなキスが降ってきた。もう、これは喰われてるって言っても過言じゃない。
 息も絶え絶えに、受け止めていると……。

「俺、もう止まんねーわ。ここならアレもあるしな。結衣子、覚悟決めろ!」
「あ、アレ? 覚悟⁇ 」
「俺に食われろ」



 そうして、私は本当に食べられてしまった。