「……うん。亮平を一人にしないよ。約束する。絶対一人にしない。大丈夫だよ。
 ……でもね、まだいいの。まだまだ鉄平は授乳中だし。1年はしっかり母乳をあげたいの。職場復帰だって、するつもりよ?
 だから…………亮平の欲しいと思ったタイミングでいい。心から欲しいと思えた時に作ろう! ね? ゆっくりでいいんだよ」

 そう言って、結衣子はにっこり笑う。
 結衣子は……いつも俺の欲しい言葉をくれる。
 俺を安心させてくれる。
 情け無いけど、いつも俺は甘えさせてもらうんだ。
 鉄平を抱っこしている俺を丸ごと抱きしめてくれる。
 俺よりずっとずっと小さいのに、結衣子は大きい。

「……約束だぞ。絶対、一人にするなよ!」

 はい、はい。と、背中を撫でてくれた。



 その日は、やっぱりなかなか寝ない鉄平を真ん中に挟んで、川の字になって3人で眠った。
 でも俺は鉄平がいつ眠ったのかわからないくらい、すぐに眠りについた。
 あれからやっと、安心できたんだ……。