そこら中這い回っている鉄平を見つめる。
 コイツ、めちゃくちゃ生命力ありそうだからな。
 ん? こっちに背を向けておすわりしてる。何してるんだ?
 げっ! あれは俺のスマホ!
 慌てて取り上げる。

「だっ! あー!」
「鉄平、これはダメだ。お前のおもちゃはこっちだ」

 代わりにスマホ型の歯固めを渡す。不満そうだな。でもこれはダメだ。

 ポイ、と投げてまた這い回りだした。

「そうだね……。鉄平はすごく健康で発育もいいし……。可愛いし。亮平にそっくりだし。いっぱい心配かけちゃったけど、無事に産むことができて良かったよ……」

 結衣子? どうしたんだ? 歯切れが悪い。まだ何かあるのか?

「どうした? まだ何か気にしてるのか?」
「………ん……。そうだね……。気にしているというか。これからのこと、ちょっと考えちゃった……」
「これからって?」
「……あのね、亮平は子供、何人欲しい?」