【完全版】俺様幼馴染の溺愛包囲網

 さて、もうすぐみんなが来る。

♪ピンポーン
 
「いらっしゃい」
「こんにちは。お招きありがとうございます!」
「まだみんな揃ってないの。上がって待っててね〜」

 真っ先に到着したのは麗ちゃん。
 キラキラ光るポインセチアを持ってきてくれた。

 飾り付けしたクリスマスツリーの下に置かせてもらおう。きっとすごく映える。

「何かお手伝いすることありますか?」
「フフフ、ズルして一部うちの母に手伝ってもらったの。だから大してやることないわ」

 丸鷄はまだオーブンの中。いつもより大きめのサイズの鷄をじっくり焼いてる。
 何度か取り出して滲み出た脂を掬い、刷毛で何度も塗る。こうするとツヤツヤに仕上がるのだ。

 サラダ類だけ母に任せた。
 見栄えのいいミモザサラダとカプレーゼ。それだけでグッと私の手が楽になる。サラダって意外と時間がかかるから。

 あとはオードブル類に、ワインで柔らかく煮込んだ牛スネ肉。亮平の好きなトマトのペンネ。ビーフピラフも作った。

 あ、カットフルーツも母に頼んだんだった! これもすごく助かったんだよね。

 まあ、食事の部分でお客様にお手伝いしてもらうわけにはいかないからね。
 他人の手料理が食べられない亮平も食べるから。

 雅ちゃんがケーキを持ってきてくれるし、多分足りると思うんだけど……。