「……稲森と廣澤を呼ぶのか?」
「あ、うん。どうかな?」
「……結衣子、その……今まで黙ってたけど……」
「うん?」
「稲森は……その……」
「亮平のこと好きだったってこと? 麗ちゃんに聞いたよ」
「へ? え、じゃあ服脱がれたのも?」
「ええっ? 何それ」

 あ、やべ。そこまでは聞いてない?

「その……あいつ、突然当直室に入ってきて服脱ぎだして……」
「……に、肉食だねぇ……」
「こ、怖かったんだぞー! 見たくないもの見せられて!」
「プッ……あんなにきれいな女医さんなのに」
「俺は結衣子しかいらないの! 知ってるだろ⁉」
「はいはい。もちろんわかってるよ? 何も疑ってないじゃない」

 本当か? 

「麗ちゃんからも聞いてちゃんと謝罪は受けた。服の話は聞いてないけど。
 でもね、正直なところ、その話を聞いてもなにも心配しなかったよ? 私たちそれだけの信頼関係は出来ているよね?」
「結衣子……」
「それより私が気になったのは……」
「え?」
「あ……ううん。なんでもない。麗ちゃんのことは本当に気にしてない。逆にちょっとわくわくしてるの、家に閉じこもりがちだったからお友達が出来て」
「そ、そうなのか?」
「うん。そうなの」

 結衣子がいいって言うならいいんだよな?
 俺は一気に気が楽になるのを感じた。