「おー、すげえ、あっちかな打ち上げ」

「方角的にはそうだな。」


展望台の手すり付近へ移動して集まる4人の元へと駆け込み、私は興奮のまま思いを伝える。


「あの、あのね、皆!」


かなりの勢いだったと思うのに、4人は驚きもせず、私に目を向けた。


「私…、シュンくんが好きだ」


聞こえないように声を落として、そう伝えると、流石に唐突すぎたのか、みんなは驚いたように目を見開く。


「さっき、気付いたの。
シュンくんの何とも思ってなさそうな行動に、いちいちドキドキしちゃうのは、私がシュンくんのことを好きだからなんだって。

妹みたいにしか思われてないかもしれないけど、それでも私…頑張ろうって思う!」


真っ直ぐそう伝えると、皆は、驚いていた顔から、呆れたような笑顔になった。


「いんじゃないの」

「頑張れよ」

「素敵!なっちゃん、最高にかっこいいよっ!」

「そうと決まれば、隣確保!」


晴樹の景気の良い掛け声と共に、トンと背中を押されて、私はシュンくんの元へと駆け出した。