私と“私”の存在意義

なんとなく何か言っているとは思っていたが、どうやら“私”に話しかけていたらしい。


「てゆーか、その服、トーマのやつじゃね?」

「…………座ります」

「うおっ?!」


口を開いただけでやけに驚かれる。


設置されていたソファーにドサリと腰を落とした。

周りの景色が白い。


「…ねぇ、君、トーマと知り合いなの?」


知り合い?


“私”の知り合いに、トーマと呼ばれていた人はいただろうか。


わからない。

誰の顔もぼんやりとしてハッキリ出てこない。


十分に考える。

今度は男の人は何も言わずに待っていてくれている。


「………知らない」


“私”は…


私はだれ?

それは、ずっと考えていることだ。