私と“私”の存在意義

少し人よりも反応が遅いらしい“私”の対応は面倒だろうに、最後まで向き合っている。

本当にこの人は優しい人だ。


「そうだったわ。
私ね、今日はちょっと用事があって高校校舎の方に行かないといけないの。

だから、ここは閉めないといけないの」


今思い出したとばかりに保健医は言う。


どういうことだろうか。

保健室を閉めなければならないなら閉めれば良いと思う。


…もしかして“私”はここに居られないのだろうか。

それは困る。

今帰ればまた“私”が殴られてしまう。


「……ここにはいれない、ですか?」


「そうねぇ…」


ここに居られなくなったらどこへ行こうか。


公園もいいかもしれないが、“私”が風邪を引かないだろうか。
上着は着ているが少し心配だ。


「もし良かったらなんだけど、アキちゃんも高校校舎の保健室に来る?」