芝生の上に横になり、ぼんやりと空を眺めてみる。

曇りがかった夜の空は濁っており、それほど綺麗だとは思えなかった。


風に晒された腕がピリピリと痛む。


そういえばさっきビール瓶で殴られたんだっけ。


腕を上げ、ゆるゆると目線だけでそちらを見てみると、見事なまでに切り傷の線が着いていた。

実際に痛いのだが、うわ痛そう、と他人事のように思う。


今日は父親(あのひと)の機嫌が悪い日だったらしい。出くわさないようにしていたというのに、運が悪いことだ。

今日はもう帰れない。


夏を越し、最近はまた寒くなってきている。


明日の“私”はおそらく風邪を引いているだろうなと思い、そっと目を閉じた。