ふたりの道が重なるまで






桜子の住むアパートは幸い私の家から徒歩15分ぐらいの距離で、全速力で走った私にはあっという間に感じた。







住宅街の中にあるアパートは周りがとても静かで、犬猫の鳴き声ひとつ聞こえない。






でも、そんな静けさの中に似合わない車のエンジン音が周りの静寂をかき消す。







明かりの灯っていない暗闇の中には車のテールランプだけが光っていて、存在感を放っていた。






そのランプによって灯し出される2つの人影。









2つの人影は1つの影に重なり、聞き覚えのある優しい声で『愛してるよ』ともう1つの人影に向けて囁かれる。