ふたりの道が重なるまで





『いらっしゃいませ。』






深くお辞儀をするそのウェイターは上半身を起こすことなく言葉を続ける。






『なな様ですね。お待ちしておりました。こちらへどうぞ。』







『ちょっと待って下さい!私予約なんてしてないです!!』







私の言葉なんて耳に届いてないのか、ウェイターはお辞儀をしたまま、右手を廊下の突き当たりに向ける。







訳が分からず、ウェイターが手を向ける先向いて長い廊下を進む。







かつて桜子たちにからかわれた現場を前に足がすくむ。







『意味分かんないよ…』








独り言を呟き、意を決して私は扉に手をかけて静かに、そしてゆっくりとドアを開けた。