あれからミカエルは王立図書館や魔法高等学校の図書館にこもっているらしく、学校でアンにまとわりつくことはなかった。毎日、夜に指輪が勝手に「今日の報告をしろ!」と騒ぎ出すのは変わらないが、日中は静かだ。


呪い魔法の解き方を研究し始めているのだろう。


だが、アンはこの呪い魔法を解くのはミカエルでも無理だろうと踏んでいる。魔法家庭教師いわく、この呪い魔法が載っていた本は絶版で、もはやこの世に一冊だと笑っていた。


アンは万全を期してその本を燃やした。