すでにアンの部屋でソファに座ってくつろいでいるミカエルの隣に座って、アンはため息をついた。

甘いため息、今日はすっかり供給過多だ。何年も推し事できなかったアンは幸せ過ぎて何時間でもうっとりできる。


妙に火照った顔で、紅の猫目も潤み、艶やかな表情を浮かべるアンが隣に座ると、ミカエルは悟った。


「キスしたいのか?」

「したくない!なんでそうなる?」

「色っぽい顔して俺の隣に座るなんて、誘惑する気だろ?乗ってやってもいい」

「乗るな!」


勘違いに忙しい男だと思いつつ、アンは隣に座るともう首を上げて顔をみなくてはいけないミカエルに問うた。


「顔、治すの?」