今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─


ミカエルがクスクス笑って立ち上がり、上着を羽織って奥へ行ってしまった。水でも取りに行ったのだろうと思うが、アンは一人ベッドの上でミカエルの言葉の意味を考えた。


(邪魔者……私が傷物だから婚約は絶対ダメって言ってたのは国王様。


邪魔者って、まさか……国王様?)


アン的には国王様は最大の味方だったが、ミカエルにとっては最大の邪魔者だった。


すっかり大魔法使いになってしまったミカエルは、王太子の権力と共にサクッと国王様を暗殺するのはそれはそれは簡単なことなのかもしれない。


ミカエルが、婚約を邪魔する国王様をサクッと消してしまわなかったことに、アン今さらながら安堵した。


「アン、水どうぞ」

「あ、ありがとう」