今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─


アンは猫目をぱちくりして、睫毛で風を起こしてしまった。俺様は偉そうだけど、俺様の懐は広かった。


ミカエルは微笑みながらも両手が怪しくドレスをまさぐっているが、アンは心底驚いていた。浮気疑いに小言も言わなかった。



(あれだな……いい男だけど)



アンはミカエルの度量ある良い男っぷりに下腹が素直にゾクッとするとともに、これまでを振り返る。


長年の片思いで治癒魔法を発展させ、

大魔法使いにまで成り上がった事実と

長年の盗撮に、

長年の毎日通信を思い出す。


そして秘蔵ネタ、アンとだけ繋がりたいがために身体も一途を貫いてきた。


(めちゃくちゃ重いなミカエル……)