今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─


パーティ会場のシャンデリアの下で、すべてに祝福されたミカエルが微笑むとアンの恋心は絆されてしまう。



悪役令嬢を断罪するはずの王太子だけが、

悪役令嬢を信じてくれた。



ミカエルはアンと手の指先を絡めて、蕩けそうな顔で笑ったかと思うと、周りに向けて冷たい声を響かせた。



「俺のアンに罪はない。断言する」



パーティ会場が聖魔法の光に満ちて、正常な空気が流れるとリリアもふと正気に戻った。なんでここまでしてしまったんだろうと、一瞬の後悔がよぎった。


だが、リリアはもう引けなかった。今更嘘でしたなんて言えやしない。



「こんなくだらない断罪の真似事はやめろ」



リリアは先のパーティで盛大に恥をかかされた恨みを、アンを断罪することで果たしたかった。ここまで大風呂敷を広げて今さら引けない令嬢のプライドがリリアを駆り立てた。



「殿下!その女が犯人だという証拠がいくつもありますわ!」

「何を出してこようが、俺が持つ証拠に比べれば、全て不十分だ」

「……ど、どんな証拠ですの?」