今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─


パーティ会場に清浄な空気が満ち、光の粒がアンを包む。アンが即席でかけた「ミカエルにだけ見えない」呪い魔法はあっさり解けてしまった。


「アン!!」


ミカエルが久々に見ることができた美しいアンに向かって、走り出した。


人垣が割れて、アンの前にミカエルが躍り出ようとすると衛兵がミカエルの前に立ちふさがった。


「ミカエル殿下、御下がりください」

「彼女は罪人です」

「俺のアンの罪は、俺が決める。どけ、黙れ、去れ、散れ」


ミカエルがアンを抱き締めようとしたのを邪魔されて、怒りを炸裂させた魔力圧だけで衛兵たちは次々に卒倒した。


アンはまっすぐやってきたミカエルを見つめる。久しぶりのミカエルは少しくたびれて、アンニュイな大人に見えた。


「ミカエル……私」

「アン、やっと会えた」