今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─



ミカエルの後ろに控えていたヘレナは、先ほど魔王の餌となって魔王を呼び出して恩を返したつもりであった。


だが、まだまだ恩は返せていなかったのかと衝撃が襲う。ジェイドがヘレナの背中に手を当てて、通訳した。


「ヘレナ、聖魔法でアン嬢の呪い魔法を解いて欲しいって殿下はおっしゃってるよ」

「あ、それなら、やります!」

「さっさとしろ」


通訳が必要な俺様語に辟易しつつ、ヘレナが両手を空へ向けて伸ばした。


光の粒が会場内に優しく降り注ぐ。


聖女しか使えない聖魔法は呪い魔法に効果抜群だ。キラキラと眩く振った光の粒を受けて、アンの呪い魔法よりも先に、火傷令嬢の頬を次々に綺麗に治した。


ヘレナは魔王との抗争を通じて、聖女としての力を見事に開花させたのだ。