今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─


突然笑い出したミカエルにパーティ会場の視線が集中した。


アンは魔王のごとき笑い声をあげるミカエルから逃げたくて、一歩前に踏み出した。だが衛兵に睨まれて押しとどめられた。


(やっぱり逃げられない……)


静かな会場をつんざく王太子の高笑いに、気が振れたかとパーティ会場内の聴衆はゾッとした。リリアもミカエルの気に障ったのかと震えが来た。


「で、殿下?」

「いや、あまりに俺のアンが可愛くてな」


アンが自身にかけた呪いの解除方法があまりにも愉快で、ミカエルは笑ってしまった。


あとでじっくり呪い魔法は解くことにする。静まり返る会場で、ミカエルだけが活き活きしていた。


「おい、お前。俺に恩を返せ」

「わ、私ですか?」