今ドキの悪役令嬢は婚約破棄どころか、婚約しません!─せっかく傷物令嬢になったのに、顔が天才な俺様王太子が絶対、私を諦めない!─


リリアの演説に拍手が起こり、パーティ会場はアンが犯人で決まりの雰囲気が流れた。


「衛兵!捕まえて!彼女が連続呪い魔法の犯人よ!!」


アンに向かって衛兵が押し寄せて来る。アンは息を飲んだ。


決断の時だ。



(せっかくミカエルから逃げ続けてきたのに、こんな身もふたもない断罪されてたまるか!)


アンは紅の猫目に意思を灯して両手を前に突き出した。もう言葉は通じない事態なのはわかっている。


どんなに弁明したところで、アンには「やってない証拠」が出せない。


このまま裁判に持ち込まれたら、きっと証拠負けする。正攻法では勝てないのが見え見えだ。もう、逃げるしかない。


アンの手の平が光り、火の玉が炸裂しようとしたとき、階段の上から威風堂々の声が降った。


「俺抜きで面白そうなことしてんなよ?」

(みみみ、ミカエル来ちゃったぁあ!)